GUIDE · 医療・介護M&A

2025年問題・調剤大型再編・医療法人スキーム — 医療/介護/薬局それぞれの承継実務


後期高齢者は2020年の約1,850万人から2025年には約2,200万人へ。5年間で18%増の人口構造変化を背景に、医療・介護業界はM&Aによる業界再編期に入った。2025年5月のアインHD×クラフト(さくら薬局800店舗)、ツルハ×ウエルシア統合等、大型再編が継続するなか、中小医療法人・調剤薬局・介護事業者の承継ニーズも急増している。本ガイドでは医療法人スキームの特殊性、調剤・介護それぞれの稼働率/処方箋枚数の評価軸、診療報酬・介護報酬改定リスクへの対応、有資格者の確保まで、領域別の承継実務を深掘りする。
最終更新: 2026-05-13 / 監修: 今井 健太郎(株式会社KI Strategy 代表取締役)

1. 2025年問題と医療・介護M&Aの構造変化

2020年の後期高齢者(75歳以上)約1,850万人が、2025年には約2,200万人に達する。たった5年で18%増という人口構造の急変は、医療・介護業界の需要構造を根本から変える。在宅医療・訪問看護・地域包括ケア・認知症対応・看取りといった、後期高齢者対応の周辺サービスの需要が構造的に拡大する一方で、医療従事者・介護人材の不足、診療報酬・介護報酬の改定圧力、地域医療構想に基づく病床機能再編が同時進行している。

結果、医療・介護のM&A市場は3軸で活発化している。

2025年5月のアインHD×クラフト統合では、首都圏中心の「さくら薬局」約800店舗を含む合算売上5,000億円超の薬局チェーンが誕生。4月にはツルハ×ウエルシアの経営統合が発表され、ドラッグストアと調剤の融合が加速している。中小事業者にとっては、買い手の裾野が広がる『売り手有利』の市場が当面続く見込みだ。

2. 医療・介護・薬局 — 3領域のビジネスモデル差

医療・介護を一括りに語ることが多いが、収益構造・参入障壁・買い手特性は3領域で大きく異なる。

領域収益構造参入障壁事業価値の源泉典型的買い手
医療法人
(病院・クリニック)
診療報酬(公定価格) 医師資格・許認可 患者数・専門性・地域性 医療法人グループ・医療PE
調剤薬局 調剤報酬(公定価格)
+OTC物販
薬剤師資格・許認可 処方箋枚数・門前関係 大手薬局チェーン・ドラッグストア
介護事業 介護報酬(公定価格)
+自費サービス
許認可・人員配置基準 稼働率・ケアプラン 大手介護チェーン・不動産系

共通点は『収入が公定価格(診療報酬・介護報酬)に強く依存』する制度ビジネスである点と、医師・薬剤師・看護師・介護福祉士等の有資格者が事業継続の前提となる点。一方、医療法人は会社法ではなく医療法の特殊な組織で譲渡スキームが独特、調剤薬局は門前医療機関との関係が事業価値の中核、介護事業は稼働率が損益を直接決定する、というように、それぞれ評価ロジックが大きく異なる。

3. 医療法人スキーム — 株式会社と何が違うか

医療法人は医療法に基づく特殊な法人で、株式会社のM&Aと根本的に異なるスキームが必要となる。

医療法人の3類型

承継スキームの選択肢

  1. 社員交代型: 旧理事長・社員が退任、新理事長・社員が就任する形式。出資持分のある医療法人では出資持分譲渡が並行で実施される
  2. 出資持分譲渡: 出資持分のある旧医療法人で、持分を譲渡することで実質的な経営権が移転
  3. 事業譲渡: 医療事業のみを譲渡し、医療法人格は売り手に残す。許認可の再取得が必要で実務負担が重い
  4. 合併: 医療法人同士の合併。都道府県知事の認可が必要

医療法人特有の論点

4. 調剤薬局M&A — 処方箋枚数・門前依存・薬価改定

調剤薬局の事業価値KPI

調剤薬局の評価で最も重要な指標は『処方箋枚数』と『門前医療機関との関係』だ。具体的なKPIは以下のとおり。

門前薬局のリスク

処方箋の50%以上を1医療機関に依存する『門前薬局』は、医療機関の閉院・移転・医師退職リスクで事業価値が大きく毀損する構造を抱える。買い手はDD段階で門前医療機関の経営状況・後継問題・移転計画等を確認する。逆に、複数の医療機関から処方箋を受ける『面分業型』薬局は安定性が高く、評価倍率が上がりやすい。

業界統合の構図

2024年以降の調剤報酬・薬価のマイナス改定で利益を圧迫されている中小薬局を、大手薬局チェーン・ドラッグストアが買収する流れが続いている。スケールメリットによる仕入価格交渉力・本部機能の効率化が買い手側の動機。中小薬局の譲渡対価は、店舗数・処方箋枚数・地域分布で大きく変動する。

5. 介護事業者M&A — 稼働率と要介護度別の収益構造

介護事業の収益構造

介護事業の売上は『利用者数 × 単価 × 稼働日数』で決まる。施設介護では稼働率が事業損益を直接決定し、85%以上が健全、80%未満は要警戒、75%未満は赤字水準とされる。介護報酬は厚労省が定める公定価格で値上げ余地が限定的、コスト構造(人件費・施設費)が固定化しやすく、稼働率の変動がそのまま利益変動に直結する構造だ。

業態別のKPI

業態収益の決定要因評価のキー指標
特別養護老人ホーム(特養)稼働率×介護度別単価稼働率・要介護度3以上比率
介護付き有料老人ホーム入居率×月額利用料+介護報酬入居率・自費比率
住宅型有料老人ホーム入居率×月額利用料入居率・併設サービス連携
サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)入居率×家賃入居率・サービス料収入
通所介護(デイサービス)利用者数×単価稼働率・送迎エリア
訪問介護サービス提供時間×単価ヘルパー数・ケアプラン獲得力
グループホーム稼働率×単価稼働率・認知症対応力

在宅介護の事業価値の源泉

訪問介護・通所介護等の在宅介護では、ケアプラン獲得力・ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)との関係性・地域包括支援センターとのネットワークが事業価値の中核となる。施設介護より初期投資が軽く、稼働率の変動リスクも分散されるため、評価倍率は施設介護より相対的に低めとなる傾向。一方、人手不足が深刻でヘルパー確保が経営の最大課題だ。

6. EV/EBITDA倍率と領域別の評価軸

領域中小M&Aの倍率レンジ特徴
調剤薬局(複数店舗)4〜7倍面分業型・在宅対応で上位
調剤薬局(単店経営)3〜5倍門前依存度で変動
介護施設(認可外有料老人ホーム)4〜7倍稼働率・自費比率で変動
介護施設(特養・老健)5〜8倍許認可価値で高評価
在宅介護(訪問介護・通所介護)3〜5倍ヘルパー定着率・ケアプラン獲得力
医療法人(クリニック)年買法ベース純資産+営業利益×3〜5年
歯科医院年買法ベース純資産+営業利益×3〜5年

医療・介護業界は許認可・有資格者の参入障壁により評価倍率は他業種より高めの水準で安定している。一方、医療報酬・介護報酬改定リスクが恒常的にあるため、安定的な需要見込みと改定耐性の両方が評価軸となる。

7. 報酬改定リスクの織り込み方

医療・介護M&Aで避けられない論点が、診療報酬(2年に1回改定)・介護報酬(3年に1回改定)の改定リスク。3つの観点で評価する。

① 直近改定の影響額試算

直近の改定が対象事業者の収益にどう影響したかを過去データで確認。改定前後3〜6ヶ月の月次売上・利益の変動を分析し、改定耐性の高い事業者か否かを判定する。

② 次期改定の方向性想定

厚労省の中医協(中央社会保険医療協議会)・社保審(社会保障審議会)の議論動向、加算要件の厳格化方向、ICT活用要件の追加等を織り込む。例えば「在宅医療加算が厳格化」「後発品調剤率の目標引き上げ」「介護人員配置基準の見直し」等の方向性を見越して、影響額を試算する。

③ 加算取得状況の点検

自院・自薬局・自施設が取得している加算が次期改定で減算・廃止されるリスク。加算は売上の5〜15%を占めるケースがあり、廃止されれば事業価値に直接影響する。

買い手はDD段階で『改定で年商の5%が減るシナリオ』『加算1つ取れなくなるシナリオ』等のストレスケースを設定し、事業価値の下振れリスクを織り込む。改定対応のキャパシティ(届出書類整備・ICT投資余力)も評価の重要要素となる。

8. 有資格者の確保と人材リテンション

医療・介護M&Aでは、医師・薬剤師・看護師・介護福祉士・ケアマネジャー等の有資格者の継続在籍が事業継続の前提となる。打ち手は以下のとおり。

  1. 主要有資格者へのリテンション契約: 2〜3年勤続条件の手当(年収の20〜30%)を支給
  2. 後継医師・後継薬剤師の確保: 特にクリニック・薬局では理事長・管理薬剤師の代替確保が必須
  3. 買い手グループからの派遣: チェーン薬局・大手介護グループからの異動
  4. 地域大学・専門学校との採用パイプライン構築: 中長期の人材供給ルート
  5. 勤務環境改善・働き方改革による定着率向上: 給与水準改善・夜勤体制見直し・ICT活用

介護業界は人手不足が深刻で、有効求人倍率3倍超の地域もあり、買収後の人員確保が事業継続性を左右する。譲渡前の段階で有資格者の継続意向を個別ヒアリングし、不安定な人員構成を洗い出すことが重要だ。

9. 買い手類型 — 大手チェーン・ドラッグストア・PE

領域別に活発な買い手類型をまとめる。

調剤薬局

医療法人

介護事業

歯科

10. 医療・介護特有のDD論点

DD領域医療・介護特有の確認事項
許認可医療機関開設許可、薬局開設許可、介護事業所指定、特定施設入居者生活介護指定等
有資格者医師・薬剤師・看護師・介護福祉士・ケアマネ等の人員配置基準充足
報酬・加算直近改定の影響、加算届出状況、次期改定リスク
稼働率・患者数過去3年の月次推移、地域内シェア、競合状況
門前関係(薬局)主要医療機関の経営状況・後継問題・移転計画
医療事故・係争過去5年の医療事故履歴、医療訴訟、苦情対応
行政指導・処分過去の行政指導・監査・処分履歴、保険医療機関指定取消リスク
建物・設備医療機器の耐用年数・更新計画、施設の建築基準法・消防法適合
感染症対策感染症発生時の対応体制、過去の集団感染履歴
個人情報保護患者・利用者個人情報の管理体制、過去の漏洩事案

11. PMIで難所となる現場運営・改定対応

医療スタッフ・介護スタッフのモチベーション維持

M&A発表後、給与・勤務体制・経営理念の変更を懸念したスタッフ離職が発生しやすい。買収後すぐの大幅な変更を避け、6〜12ヶ月は現状運営を維持。新経営陣と現場リーダーとの対話を重ねて信頼関係を構築する。

患者・利用者への信頼維持

医療・介護は患者/利用者と医療従事者/介護士の信頼関係が事業価値の中核。経営者交代に伴う説明・コミュニケーションを丁寧に実施し、急な方針変更を避ける。「治療方針が変わる」「サービス内容が劣化する」という不安を払拭する。

報酬改定対応のキャパシティ統合

買い手側のオペレーションノウハウ(届出書類整備・加算取得・ICT活用)を被買収側に移植。グループ全体での加算取得率の引き上げ・人員配置の最適化を進める。買収後の改定対応で売上を5%以上押し上げる事例もあり、PMIシナジーの中核となる。

12. よくある質問(FAQ)

Q.医療・介護業界で『2025年問題』とは?M&Aへの影響は?
2020年の後期高齢者(75歳以上)が約1,850万人だったのに対し、2025年には約2,200万人に達するという、人口構造の急変を指します。たった5年で18%増という急増局面で、医療・介護需要は構造的に拡大する一方、医療従事者・介護人材の不足、診療報酬・介護報酬改定圧力、地域医療構想に基づく病床再編など、業界構造の変化も同時進行します。M&Aへの影響は、(1)介護・在宅医療・調剤薬局など2025年問題で需要拡大領域への買収意欲の高まり、(2)後継者不在・経営難の医療法人・薬局・介護事業者の譲渡増加、(3)異業種からの参入(ドラッグストア・商社・PEファンド等)、の3軸で業界再編が加速しています。
Q.医療法人のM&Aはどう進めますか?通常の株式譲渡と何が違う?
医療法人は会社法の株式会社と異なり、医療法に基づく特殊な組織で、譲渡スキームが大きく異なります。代表的な手法は、(1)社員交代型:旧理事長・社員が退任、新理事長・社員が就任する形式。出資持分のある医療法人では出資持分譲渡が並行で実施される、(2)出資持分譲渡:出資持分のある旧医療法人で、持分を譲渡することで実質的な経営権が移転、(3)事業譲渡:医療事業のみを譲渡し、医療法人格は売り手に残す(許認可の再取得が必要)。さらに2007年の医療法改正以降に新設された医療法人は「出資持分なし」が原則で、純資産が法人帰属となるため、譲渡対価の設計が特殊です。理事長変更には都道府県への届出が必要で、医師資格を持つ買い手の確保も論点となります。
Q.調剤薬局のM&Aで重要な評価指標は?
調剤薬局の事業価値は、(1)処方箋枚数(日次・月次の取扱枚数)、(2)門前医療機関との関係(依存度・継続見込み)、(3)1処方箋あたり技術料・薬剤料、(4)薬剤師の在籍数・定着率、(5)在宅医療対応の有無、(6)地域連携加算等の届出有無、で評価されます。特に処方箋の50%以上を1医療機関に依存する「門前薬局」は、医療機関の閉院・移転リスクで事業価値が大きく毀損する構造です。直近では薬価改定・調剤報酬マイナス改定の影響、ドラッグストアによる調剤併設の競合激化、後発品使用体制加算・地域支援体制加算等の届出維持要件などが評価軸として重要視されています。
Q.介護事業者のM&Aで稼働率が決定的な理由は?
介護事業の売上は「利用者数 × 単価 × 稼働日数」で決まり、施設介護では稼働率が事業損益を直接決定します。介護報酬は厚生労働省が定める公定価格のため値上げ余地が限定的で、コスト構造(人件費・施設費)が固定化しやすく、稼働率の変動がそのまま利益変動に直結します。稼働率85%以上が健全水準、80%未満は要改善・要警戒、75%未満は赤字事業者となる構造。M&Aでは過去3年の月次稼働率推移、地域内競合の出店状況、要介護度別の利用者構成、介護報酬改定への対応力をDDで精査します。在宅介護(訪問介護・通所介護)では、ケアプラン獲得力・ケアマネジャー関係性・地域包括支援センターとのネットワークが事業価値の源泉となります。
Q.診療報酬・介護報酬改定リスクをどう評価しますか?
医療・介護M&Aで避けられない論点で、3つの観点で評価します。(1)直近改定の影響額試算:直近の改定(医療は2年に1回、介護は3年に1回)が対象事業者の収益にどう影響したかを過去データで確認、(2)次期改定の方向性想定:厚生労働省の中医協・社保審の議論動向、加算要件の厳格化方向、ICT活用要件の追加等を織り込む、(3)加算取得状況の点検:自院・自薬局・自施設が取得している加算が次期改定で減算・廃止されるリスク。買い手はDD段階で「改定で年商の5%が減るシナリオ」「加算1つ取れなくなるシナリオ」等のストレスケースを設定し、事業価値の下振れリスクを織り込みます。改定対応のキャパシティ(届出書類整備・ICT投資余力)も評価の重要要素です。
Q.医療・介護のEV/EBITDA倍率の目安は?
中小M&Aで領域別の目安は、(1)調剤薬局(複数店舗):EBITDA倍率4〜7倍、単店経営は3〜5倍、(2)介護施設(特養・老健は許認可リスクあり、認可外有料老人ホームは流動性高):4〜7倍、(3)在宅介護(訪問介護・通所介護):3〜5倍、(4)医療法人(クリニック):年買法ベース(時価純資産+営業利益×3〜5年)が中心、(5)歯科医院:年買法・営業利益×3〜5年。医療・介護業界は許認可・有資格者の参入障壁により評価倍率は他業種より高めの水準で安定しており、IT業界に次いで高い倍率レンジが付きやすい構造です。一方、医療報酬・介護報酬改定リスクが恒常的にあるため、安定的な需要見込みと改定耐性の両方が評価軸となります。
Q.医療・介護事業の有資格者をどう確保しますか?
医療・介護M&Aでは、医師・薬剤師・看護師・介護福祉士・ケアマネジャー等の有資格者の継続在籍が事業継続の前提となります。打ち手は、(1)主要有資格者へのリテンション契約(2〜3年勤続条件の手当)、(2)後継医師・後継薬剤師の確保(特にクリニック・薬局では理事長・管理薬剤師の代替確保が必須)、(3)買い手グループからの派遣(チェーン薬局・大手介護グループからの異動)、(4)地域大学・専門学校との採用パイプライン構築、(5)勤務環境改善・働き方改革による定着率向上。介護業界は人手不足が深刻で、有効求人倍率3倍超の地域もあり、買収後の人員確保が事業継続性を左右します。譲渡前の段階で有資格者の継続意向を個別ヒアリングし、不安定な人員構成を洗い出すことが重要です。
Q.医療・介護M&Aの買い手にはどんな企業が多いですか?
領域別に5類型が活発化しています。(1)調剤薬局:大手チェーン(アインHD・日本調剤・クオール・スギ薬局等)、ドラッグストア(ツルハ・ウエルシア・マツキヨ等)、PEファンド。(2)医療法人:医療法人グループ、医療MS法人、医療系PEファンド。(3)介護施設:大手介護チェーン(ベネッセ・ニチイ・SOMPOケア等)、不動産系(住友林業・大東建託等)、PEファンド。(4)在宅介護:地域包括ケア事業者、訪問看護グループ。(5)歯科:歯科チェーン(メディカル・ノアグループ等)。2025年5月のアインHD×クラフト(さくら薬局800店舗)統合のように、大型再編が継続しており、中小事業者にとっては譲渡候補先の選択肢が広がっている状況です。
Q.医療・介護のPMIで難所となる論点は?
3つの論点が中心です。(1)医療スタッフ・介護スタッフのモチベーション維持:M&A発表後、給与・勤務体制・経営理念の変更を懸念したスタッフ離職が発生しやすい。買収後すぐの大幅な変更を避け、6〜12ヶ月は現状運営を維持。(2)患者・利用者への信頼維持:医療・介護は患者/利用者と医療従事者/介護士の信頼関係が事業価値の中核で、経営者交代に伴う説明・コミュニケーションを丁寧に実施。(3)報酬改定対応のキャパシティ統合:買い手側のオペレーションノウハウ(届出書類整備・加算取得・ICT活用)を被買収側に移植。グループ全体での加算取得率の引き上げ・人員配置の最適化を進める。医療・介護PMIは「現場の信頼関係を守りながら経営効率を上げる」ハイブリッド型統合が成功の鍵となります。
Q.後継者不在のクリニック・薬局・介護事業者はどう承継しますか?
親族内承継が困難な場合の選択肢は、(1)第三者承継M&A:同業大手・チェーン・PEファンドへの売却が最も現実的な選択肢、(2)社内承継(MBO/EBO):勤務医師・管理薬剤師・施設長への承継(資金調達・経営者保証引継ぎが論点)、(3)地域連携承継:地域医療構想に基づく病床機能再編、地元医療法人への統合、(4)廃業:解雇予告・利用者の他施設紹介・在庫処分等のコスト発生。早期準備(引退の5〜7年前)が選択肢を広げる前提で、現在の事業価値・後継候補の有無・地域内のニーズを踏まえて最適な出口を設計することが推奨されます。事業承継・引継ぎ支援センター、医療法人・介護事業者の業界団体も第三者承継のマッチング支援を提供しています。
今井 健太郎
監修
今井 健太郎(株式会社KI Strategy 代表取締役)
早稲田大学政治経済学部卒。野村総合研究所を経て、2016年に株式会社KI Strategyを設立。M&Aアドバイザリー、デューデリジェンス(BDD/ITDD)、PMI支援を専門とする。情報経営イノベーション専門職大学(iU)客員教授。プロフィール詳細 →

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