M&A
企業の合併(Mergers)と買収(Acquisitions)の総称。広義には会社・事業の譲渡、合併、会社分割、株式交換、株式移転、第三者割当増資、業務提携、資本提携まで含む。中小企業の事業承継手段の一つとして近年急増している。
中小M&Aで用いられる7つの主要スキームと、その派生・関連手法を整理します。スキームの選択は税務・許認可・契約継承・対価形態に大きく影響するため、初期検討段階で構造の特性を把握することが重要です。
企業の合併(Mergers)と買収(Acquisitions)の総称。広義には会社・事業の譲渡、合併、会社分割、株式交換、株式移転、第三者割当増資、業務提携、資本提携まで含む。中小企業の事業承継手段の一つとして近年急増している。
対象会社の株主が保有する株式を譲受人に売却することで、経営権を移転するM&A手法。会社(法人格)はそのまま継続し、株主構成のみが変わるため、会社が保有する資産・契約・許認可・従業員等は個別の承継手続きなしで引き継げる。中小M&Aで最も多用されるスキーム。
会社が保有する事業(資産・契約・従業員等)を個別に他社へ売却するM&A手法。法人格は売り手側に残り、譲渡対象の資産・契約・雇用は個別承継手続きが必要。許認可は原則として再取得が必要、消費税課税対象。リスクの切り分けがしやすい一方、手続きが煩雑。
2社以上の会社が1社に統合されるM&A手法。吸収合併(一方が存続し他方が消滅)と新設合併(両社が消滅し新会社設立)に分かれる。包括承継のため契約・許認可は原則そのまま引き継がれるが、株主総会の特別決議が必要、簿価引継ぎが原則。
会社が保有する事業を別会社に分離するM&A手法。吸収分割(既存会社に事業を承継)と新設分割(新会社を設立して事業を承継)に分かれる。事業譲渡と異なり包括承継で、契約・雇用が原則そのまま引き継がれる。消費税は不課税。
対象会社の株主から株式の全部を取得し、対価として自社株式(または現金・社債等)を交付するM&A手法。完全親子会社化を実現する。株主総会の特別決議が必要、税制適格要件を満たせば株主への課税を繰り延べ可能。
1社または複数社が完全親会社(持株会社)を新設するM&A手法。既存会社の株主は新設親会社の株主となる。経営統合・グループ再編で頻繁に用いられる。
特定の第三者に対して新株を発行する増資手法。経営権を維持しつつ資金調達・資本提携・救済支援を行う。買い手にとっては既存株主の希薄化と引き換えに対象会社の経営に関与する選択肢。
上場会社の株式を、市場外で不特定多数の株主から買い付ける制度。金融商品取引法27条の2以下で規制され、買付条件(価格・期間・予定数)を公告して公平な売却機会を提供する。買付後に株式等所有割合が30%超となる場合(2024年改正で従来の3分の1超から30%超へ)にはTOBが義務化される。
対象会社の発行済株式の100%を取得し、自社の完全子会社にする手法。株式譲渡・株式交換・株式移転・TOB+スクイーズアウト等の手法を組み合わせて実現する。少数株主の不在によりガバナンス・意思決定が単純化される。
他社の株式を保有することを主たる事業とする会社。事業会社を子会社化してグループ統治を担う。事業承継対策・グループ再編で活用され、株式移転で新設するケースが多い。
完全買収・合併に至らず、少数株式の相互保有や一方による議決権の一部取得で連携を強化するスキーム。買収より柔軟・対等な関係を維持しやすく、業務提携と組み合わせて用いられる。
資本関係を伴わない、特定業務(販売・開発・生産等)での協力関係。契約のみで構築でき柔軟だが、関係解消も容易で拘束力は限定的。