譲渡制限株式
譲渡に会社の承認を要する株式(会社法107条1項1号、108条1項4号)。中小企業の大半は定款で全株式に譲渡制限を定めており、株式譲渡には取締役会(取締役会設置会社)または株主総会(取締役会非設置会社)の承認が必要となる(会社法139条)。
M&A・事業承継で頻出する株式・株主関連の用語を整理します。会社法上の手続きについては株式譲渡の流れもご参照ください。
譲渡に会社の承認を要する株式(会社法107条1項1号、108条1項4号)。中小企業の大半は定款で全株式に譲渡制限を定めており、株式譲渡には取締役会(取締役会設置会社)または株主総会(取締役会非設置会社)の承認が必要となる(会社法139条)。
譲渡制限株式の譲渡に必要な会社の承認手続き(会社法136条以下)。株主または取得者が会社に対し譲渡承認請求を行い、取締役会または株主総会で承認決議の上、譲渡承認通知書を交付する。会社が承認しない場合は、会社または指定買取人が買い取る選択肢がある(会社法140条)。
普通株式と異なる権利を持つ株式(会社法108条)。議決権制限株式、配当優先株式、譲渡制限株式、取得請求権付株式、取得条項付株式、全部取得条項付株式、拒否権付株式(黄金株)、役員選任権付株式の9種類が定められている。事業承継・資本政策で活用される。
株主総会の特定決議事項について拒否権を持つ種類株式。事業承継で、創業者が経営権を移譲しつつ重要事項(解散・合併等)に対する拒否権を保持するスキームとして用いられる。
普通株式に優先して配当を受ける権利を持つ種類株式。代わりに議決権を制限する設計が一般的(議決権制限・配当優先株式)。事業承継で、後継者には普通株式を集中させ、他の親族には議決権制限・配当優先株式を割り当てるスキームで活用される。
会社が備える、株主の氏名・住所・保有株式数等を記載する帳簿(会社法121条)。株主名簿の記載が、株主としての権利を会社に対抗する基礎となる(会社法130条)。中小企業では更新が遅れ、実態と乖離しているケースが頻発する。
株式譲渡に伴う株主名簿の書換手続き(会社法130条・133条)。譲渡人・譲受人の連名で会社に請求し、会社が株主名簿の記載を更新する。これにより、譲受人は配当・議決権等の株主権を会社に対抗できるようになる。M&Aクロージング時の最重要手続きの一つ。
株券不発行会社で、株主であることを証明する書面(会社法122条)。会社が株主の請求に応じて交付する。M&Aで株式を取得した譲受人が、株主としての地位を第三者に対して証明する手段として用いられる。
株主が株主総会で行使する決議参加権。原則として1株1議決権だが、種類株式の設計により議決権制限・複数議決権等を付与できる。M&A・事業承継では、議決権の集中が経営権の所在を決定する。
議決権の少ない株主。一般に保有割合5%以下を指すことが多い。会社法上、一定の権利(株主代表訴訟提起権・帳簿閲覧権・株主提案権等)が保証されている。M&A完全子会社化を目指す買い手にとって、少数株主の存在は意思決定の障害となる。
少数株主の保有株式を強制的に取得し、完全子会社化を実現する手法。会社法179条の特別支配株主の株式等売渡請求(議決権90%以上保有時)または株式併合(株主総会特別決議で実施)の2手法が実務的に定着。買付け価格は裁判所での価格決定申立てによる調整が可能。
議決権の90%以上を保有する特別支配株主が、他の株主に対して株式の売渡を強制請求できる制度(会社法179条以下)。株主総会決議不要で実施でき、TOB後の二段階目スクイーズアウトの主要手段。平成26年会社法改正で導入。
複数株を1株にまとめる手続き(会社法180条)。スクイーズアウトの手段として用いられる場合、少数株主の保有株式が端株となるよう設計し、端株を競売または会社買取で現金化する。株主総会の特別決議が必要。
株式併合等の結果として1株に満たない端数となった株式。会社法上、端株は競売または任意売却(会社が買取)で現金化される。スクイーズアウトの株式併合方式で、少数株主は端株となり現金で締め出される。
会社が保有する自社株式(会社法155条以下)。事業承継で株式の集約手段として活用される。取得時にはみなし配当課税が発生する場合がある。議決権は行使できず、配当も支払われない。
既存株式を複数株に分割する手続き(会社法183条)。1株あたりの株価が下がり流通性が高まる効果がある。事業承継・M&A前の準備として、株式の小口化・流通性向上のために用いられることがある。
上場会社の株式を5%超保有することになった場合に金融商品取引法上提出が義務付けられる報告書(金商法27条の23)。M&A・TOB関連の重要開示書類で、保有目的(純投資・経営参画・重要提案行為等)を明示する。