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近畿の事業承継・M&A 2026|兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山・三重の後継者不在率と公的相談先ハブ


近畿 M&A 事業承継の地域ハブ。兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山・三重の後継者不在率(帝国データバンク2025年・近畿46.5%)と企業等数、脱ファミリー化の実態、6県の無料公的相談先を一覧化。大阪は専用ページへ。県別詳細と無料査定への入口をまとめました。

公開: 2026-10-15 / 監修: 今井 健太郎(株式会社KI Strategy 代表取締役)

近畿の事業承継・M&Aの現状(6県比較・大阪は別ページ)

近畿は、後継者不在率が全国平均を下回る地域です。帝国データバンクが2025年12月に公表した近畿地区の調査では、2府4県の後継者不在率は46.5%で、前年から0.4ポイント低下し7年連続の改善となりました。全国の50.1%(前年比2.0ポイント低下)より3ポイント余り低く、府県別に見てもすべての府県が全国を下回っています(帝国データバンク「近畿地区・『後継者不在率』動向調査(2025年)」)。数字だけ見れば恵まれた地域に映るかもしれません。ただし、同じ調査は改善ペースの鈍化と、和歌山・京都・奈良の3府県で不在率が前年より上昇したことも指摘しています。

このページは、大阪府を除く近畿6県(兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山・三重)の基礎データと公的相談先を一覧で束ねる「地域ハブ」です。大阪府は企業数・案件数ともに規模が大きいため、大阪のM&A・事業承継として専用ページに分けています。県ごとの市区町村別データ・支援機関は各県トップページに整理していますので、自社の所在県の詳細はそちらでご確認ください。三重県は行政区分では中部(東海)に入りますが、関西との経済的なつながりが深く、本ページでは近畿の一部として扱います。

県後継者不在率(2025年)前年比企業等数(個人含む)最多業種県別ページ
兵庫県47.2%△1.2pt146,596社卸売・小売業兵庫県の事業承継情報
京都府44.8%+0.6pt83,694社卸売・小売業京都府の事業承継情報
滋賀県43.8%△2.1pt37,756社卸売・小売業滋賀県の事業承継情報
奈良県50.0%+0.6pt34,059社卸売・小売業奈良県の事業承継情報
和歌山県45.3%+1.8pt35,287社卸売・小売業和歌山県の事業承継情報
三重県33.9%△0.2pt51,998社卸売・小売業三重県の事業承継情報

後継者不在率は帝国データバンク「近畿地区・『後継者不在率』動向調査(2025年)」の府県別値(近畿2府4県は同調査、三重県は同社「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」の都道府県別値)。近畿全体は46.5%、全国は50.1%です。企業等数は総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」(令和3年)の企業等数(個人事業主を含む)を当サイトで集計したもので、6県合計で約38.9万社、大阪府(279,906社)を加えると近畿全体で約67万社になります。不在率が県によって高低する背景や全国順位は後継者不在の現状と解決策で詳しく解説しています。

近畿で進む「脱ファミリー化」と、増え続ける廃業

近畿の承継の中身は、この数年で様変わりしました。新しく代表に就いた人の就任経緯を見ると、2025年の速報値では血縁関係によらない役員・社員を登用した「内部昇格」が36.4%となり、同調査が「これまで最も多かった」とする「同族承継」(35.4%)を速報値の段階で上回りました。買収や出向を中心とする「M&Aほか」は17.6%、社外から代表を迎える「外部招聘」は6.9%です(帝国データバンク、前掲近畿調査)。親族に継がせるという選択肢が細る一方で、社内の番頭役や第三者に経営を託す動きが主流になりつつある、ということです。

もっとも、M&Aによる承継は右肩上がりというわけではありません。「M&Aほか」の2024年実績値は14.4%で、2023年を1.2ポイント下回りました。同調査はその背景として、給与遅配や税金未納、経営者保証の解除が契約どおりに行われないといった悪質な買い手の問題が2024年に表面化し、M&Aへの警戒感が広がったことを挙げています。第三者承継が選択肢として定着したからこそ、相手を見極める目が問われる局面に入ったと言えます。

出口を選ばずに時間切れになる企業も増えています。近畿2府4県で2025年1〜8月に休廃業・解散した企業は6,235件で、前年同期の5,835件から6.86%増えました。このペースが続けば通年で9,300件程度に達し、これまで最多だった2024年の9,115件を上回る見通しです(帝国データバンク「近畿地区・『休廃業・解散』動向調査(2025年1-8月)」)。同調査は、資産超過の状態で「余力があるうちに」畳む円満廃業が広がっていることも指摘しています。廃業は必ずしも失敗ではありませんが、従業員や取引先を残せる譲渡の道があったのに検討しないまま閉じるケースは、避けられる損失です。

年代別の数字は、経営者ご自身の立ち位置を測るのに使えます。近畿の代表者年代別不在率は30代が80.7%、50代で53.5%、60代で31.4%、70代で21.2%、80代以上で18.7%です(同調査)。60代で3社に1社、70代でも5社に1社は後継者が決まっていません。あなたの会社は、どの段階にあるでしょうか。

兵庫県:近畿6県で最多の企業数、神戸港と阪神工業地帯

兵庫県は6県のなかで企業等数が最も多く、146,596社(経済センサス‐活動調査 令和3年、以下同)を数えます。最多業種は卸売・小売業(30,102社)で、宿泊・飲食業(19,307社)、建設業(14,662社)、医療・介護(13,785社)が続きます。神戸港を核とする物流・貿易、阪神間の機械・鉄鋼・化学といった製造業集積に加え、播磨の重工業、但馬・淡路の観光や食品まで、県内で産業の顔が大きく異なるのが特徴です。同じ「兵庫の会社」でも、神戸の卸売業と但馬の旅館では買い手候補の探し方がまるで違います。

後継者不在率は47.2%で、前年から1.2ポイント改善しました(帝国データバンク、前掲近畿調査)。県内の市区町村別データと支援機関は兵庫県の事業承継情報に整理しています。製造業の譲渡で論点になりやすい設備・在庫の評価は企業価値算定の方法を、業種ごとの傾向は業種別M&A動向をご覧ください。

京都府:伝統産業と先端製造業が同居する承継市場

京都府の企業等数は83,694社で、最多は卸売・小売業(17,591社)、次いで製造業(10,560社)、宿泊・飲食業(10,106社)、不動産業(7,801社)です。6県のなかで製造業が2位に入るのは京都だけで、西陣織や京友禅、清水焼といった伝統産業の工房から、電子部品・精密機器・計測機器の中堅メーカーまでが同じ府内に集まっています。観光需要に支えられた宿泊・飲食業の厚みも、他県にはない特徴です。

後継者不在率は44.8%と近畿では低めの水準ですが、前年からは0.6ポイント上昇しました(帝国データバンク、前掲近畿調査)。伝統産業では技術の承継と経営の承継が切り離せず、廃業が技術の消失に直結します。京都の市区町村別データと相談先は京都府の事業承継情報でご確認ください。

滋賀県:近畿2府4県で不在率が最も低い、製造業の県

近畿2府4県で最も改善が進んだのが滋賀県です。企業等数は37,756社で、卸売・小売業(7,308社)、建設業(4,759社)、サービス業(4,409社)、製造業(3,750社)の順です。琵琶湖を囲む内陸部に自動車部品・電機・化学・医薬品などの工場が集まり、県経済に占める製造業の比重が高い地域として知られています。工場の協力企業や設備メンテナンス、物流を担う中小企業が厚く、譲渡の場面では取引先との関係の引き継ぎが評価の中心になります。

後継者不在率は43.8%で、近畿2府4県のなかで最も低く、2023年の52.9%から2年で9ポイント余り下がりました(帝国データバンク、前掲近畿調査)。改善幅は近畿で最大です。市区町村別データと相談先は滋賀県の事業承継情報に整理しています。

奈良県・和歌山県:不在率が上昇に転じた2県

対照的に、前年から不在率が上向いたのが奈良県(企業等数34,059社)と和歌山県(同35,287社)です。奈良県は製造業(3,659社)・サービス業(3,621社)・医療・介護(3,327社)が続き、和歌山県は宿泊・飲食業(4,217社)・建設業(3,841社)・サービス業(3,310社)と観光・建設の比重が高くなっています。両県に共通するのは、大阪への通勤圏・商圏に組み込まれた地域と、山間部や紀伊半島南部のように地元だけで買い手を探すのが難しい地域が同居している点です。

後継者不在率は奈良県が50.0%、和歌山県が45.3%で、奈良は近畿2府4県で最も高く、和歌山は前年から1.8ポイント上昇と近畿で最大の上げ幅でした(帝国データバンク、前掲近畿調査)。同調査は、不在率が高い地域や上昇が続く地域では同族経営の企業が多いことを指摘しています。親族承継の候補が細っているなら、県外の買い手や公的窓口のマッチングまで視野を広げることが出口を増やします。市区町村別データは奈良県の事業承継情報・和歌山県の事業承継情報でご確認ください。

三重県:全国で最も後継者不在率が低い県

三重県の企業等数は51,998社で、卸売・小売業(11,006社)、建設業(6,596社)、宿泊・飲食業(5,754社)、製造業(5,294社)の順です。四日市の石油化学コンビナート、鈴鹿・亀山の自動車・電子デバイス関連、伊勢志摩の観光と、北勢・中勢・南勢で産業構造がはっきり分かれます。名古屋圏と関西圏の双方に商圏を持つため、買い手候補を東西どちらからも探せるのは三重の会社に固有の利点です。

後継者不在率は33.9%で、47都道府県のなかで最も低い水準です(帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」。前年34.1%から0.2ポイント低下)。不在率が低いことと、承継が円滑に進むことは同じではありません。「後継者は決まっているが、その後継者が本当に引き受けるかどうかは別問題」という相談を受けることもあります。市区町村別データと相談先は三重県の事業承継情報に整理しています。

近畿で事業承継・M&Aを進める手順

地域にかかわらず、第三者承継(M&A)の基本的な流れは「現状把握 → 相手探し → 条件交渉 → 最終契約・引き継ぎ」です。近畿は買い手候補が府県をまたいで存在する地域なので、最初に自社の価格感と業種の相場観を持っておくと、相談先の選択と交渉の両方が進めやすくなります。

全国の市場規模や業種別の承継動向、後継者不在率の全国比較といったマクロ統計は、本ページでは深追いせず後継者不在の現状と解決策に集約しています。

近畿6県の公的窓口一覧と、民間専門家の使い分け

近畿の各府県には、産業競争力強化法に基づいて国が設置する事業承継・引継ぎ支援センターがあり、相談は無料です。兵庫県センターは神戸商工会議所が国の委託を受けて2021年(令和3年)4月に設けたもので、完全予約制で事業承継計画の助言、ノンネームでのデータベース掲載、民間M&A支援機関への橋渡し、弁護士・公認会計士・税理士など専門家の活用支援を行っています(同センター公式サイト)。他県のセンターも商工会議所や県の産業支援機関が運営主体となる同じ枠組みです。

県センター名所在地電話
兵庫県兵庫県事業承継・引継ぎ支援センター神戸市中央区港島中町6-1 神戸商工会議所会館8階078-303-2299
京都府京都府事業承継・引継ぎ支援センター京都市下京区四条通室町東入 京都経済センター7階075-353-7120
滋賀県滋賀県事業承継・引継ぎ支援センター大津市打出浜2-1 コラボしが21 9階077-511-1505
奈良県奈良県事業承継・引継ぎ支援センター奈良市西大寺南町8-33 奈良商工会議所3階0742-53-5888
和歌山県和歌山県事業承継・引継ぎ支援センター和歌山市七番丁26-1 モンティグレ ダイワロイネットホテル和歌山3階073-499-5221
三重県三重県事業承継・引継ぎ支援センター津市栄町1丁目891 三重県合同ビル5階059-253-3154

所在地・電話は中小企業基盤整備機構「事業承継・引継ぎポータル」のセンター一覧(2026年8月確認)に基づきます。移転・変更の可能性があるため、来訪前に各センターの公式サイトでご確認ください。大阪府のセンター(大阪商工会議所内)は大阪のM&A・事業承継に掲載しています。

全国のセンターの支援実績は伸びており、2024年度(令和6年度)の相談者数は2.3万者を超え(うち第三者承継に関する相談は16,045者)、第三者承継の成約件数は2,132件と過去最多を更新しました(中小企業基盤整備機構「令和6年度 事業承継・引継ぎ支援センターの実績について」2025年)。「まず誰に相談すればよいか分からない」という段階では、こうした公的窓口が出発点として有効です。

一方で、具体的な相手探し・企業価値の精査・条件交渉・契約実務の段階では、民間の仲介会社・FA(フィナンシャル・アドバイザー)・コンサルティング会社が実務を担います。近畿の調査で悪質な買い手への警戒感が指摘されたことを踏まえると、相手の見極めを自社だけで行うのは負担が大きく、売り手の側に立つ専門家を置く意味は以前より増しています。それぞれの役割と費用、選び方の違いは相談先の比較に整理しています。

段階主な相談先費用の目安
初期相談・全体像の整理事業承継・引継ぎ支援センター(公的)無料
相手探し・交渉・契約実務仲介会社・FA・コンサル(民間)手数料相場を参照
税務・スキーム設計税理士・会計士個別見積

当サイトを運営する株式会社KI Strategyは、売り手側に専任する独立系コンサルティング会社です。代表は大手シンクタンク出身で、売却を検討するオーナー経営者の立場に立ったアドバイザリーを行っています。近畿での売却・承継をご検討の際は、まず概算の価格感の把握と、相談先の整理から始めることをおすすめします。

出典

よくある質問(FAQ)

Q.近畿で後継者不在率が高いのはどの県ですか?
帝国データバンク「近畿地区・『後継者不在率』動向調査」(2025年)によると、近畿2府4県で最も高いのは奈良県の50.0%、次いで兵庫県47.2%、大阪府46.8%、和歌山県45.3%、京都府44.8%、滋賀県43.8%の順です。いずれも全国の50.1%を下回ります。三重県は同社の全国調査で33.9%と47都道府県で最も低い水準です。前年から上昇したのは和歌山・京都・奈良の3府県で、不在率の高い地域では同族経営の企業が多いことが指摘されています。
Q.大阪府の情報はこのページに含まれていますか?
大阪府は企業等数が約28万社と近畿の他府県より規模が大きいため、大阪のM&A・事業承継として専用ページに分けています。本ページは兵庫・京都・滋賀・奈良・和歌山・三重の6県を束ねた地域ハブです。各県の市区町村別データは、兵庫県は/pref/28/、京都府は/pref/26/、滋賀県は/pref/25/、奈良県は/pref/29/、和歌山県は/pref/30/、三重県は/pref/24/からご確認いただけます。
Q.近畿ではM&Aによる承継は増えていますか?
一本調子で増えているわけではありません。帝国データバンクの近畿調査では、新代表の就任経緯のうち「M&Aほか」は2024年実績値で14.4%と前年を1.2ポイント下回りました。同調査は、給与遅配や税金未納、経営者保証の解除不履行といった悪質な買い手の問題が2024年に表面化し、警戒感が広がったことを背景に挙げています。一方で「内部昇格」が36.4%と「同族承継」35.4%を上回るなど、親族以外への承継自体は主流になりつつあります。相手の見極めを売り手の側に立つ専門家と行うことが、以前より重要になっています。
Q.公的な相談窓口は無料で使えますか?
はい。近畿の各府県にある事業承継・引継ぎ支援センターは、産業競争力強化法に基づいて国が設置する公的窓口で、相談は無料です。兵庫県センターは完全予約制で、事業承継計画の助言、ノンネームでのデータベース掲載、民間M&A支援機関への橋渡し、弁護士・会計士・税理士などの専門家活用支援を行っています。全国のセンターの2024年度の第三者承継の成約件数は2,132件と過去最多でした(中小企業基盤整備機構、2025年)。初期相談は公的窓口、具体的な相手探しや交渉は民間の仲介・FA・コンサルという使い分けが一般的です。
Q.近畿の会社のおおよその売却価格を知るにはどうすればよいですか?
まずは無料の企業価値の簡易試算(valuation.html)で、売上・利益などからおおよそのレンジを把握できます。算定ロジックの詳細は企業価値算定の方法、業種ごとの評価傾向は業種別M&A動向のページをご覧ください。近畿は製造業の集積地と観光地が同居しており、業種による評価の差が大きいため、業種別の相場観をあわせて確認すると精度が上がります。
今井 健太郎
監修
今井 健太郎(株式会社KI Strategy 代表取締役)
早稲田大学政治経済学部卒。大手シンクタンクを経て、2016年に株式会社KI Strategyを設立。M&Aアドバイザリー、デューデリジェンス(BDD/ITDD)、PMI支援を専門とする。情報経営イノベーション専門職大学(iU)客員教授。プロフィール詳細 →

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