中部 M&A 事業承継の地域ハブ。愛知・静岡・岐阜・長野・山梨の後継者不在率(帝国データバンク2025年)と企業等数約50万社、名古屋圏の製造業と甲信の二層構造、5県の無料公的相談先を一覧化。県別詳細と無料査定への入口をまとめました。
中部は、企業の数でも製造業の厚みでも、全国の地域ハブのなかで最大の圏域です。愛知・静岡・岐阜・長野・山梨の5県で企業等数は約50万社に達し、製造業だけでも愛知26,858社・静岡14,130社と全国3位・5位の集積があります(総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」令和3年・当サイト集計)。後継者不在率は5県とも全国の50.1%に近い帯にありますが、岐阜県の56.4%だけが突出して高く、名古屋圏の周縁ほど承継が難しいという構図が数字に出ています(帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」)。
このページは、東海3県(愛知・静岡・岐阜)と甲信2県(長野・山梨)を束ねる「地域ハブ」です。三重県は関西圏との結び付きから近畿のM&A・事業承継に、新潟県は北陸のM&A・事業承継にそれぞれ含めています。県ごとの市区町村別データ・支援機関は各県トップページに整理していますので、自社の所在県の詳細はそちらでご確認ください。
| 県 | 後継者不在率(2025年) | 企業等数(個人含む) | 最多業種 | 県別ページ |
|---|---|---|---|---|
| 愛知県 | 48.6% | 209,483社 | 卸売・小売業 | 愛知県の事業承継情報 |
| 静岡県 | 48.0% | 117,364社 | 卸売・小売業 | 静岡県の事業承継情報 |
| 岐阜県 | 56.4% | 69,712社 | 卸売・小売業 | 岐阜県の事業承継情報 |
| 長野県 | 49.6% | 72,903社 | 卸売・小売業 | 長野県の事業承継情報 |
| 山梨県 | 47.5% | 31,373社 | 卸売・小売業 | 山梨県の事業承継情報 |
後継者不在率は帝国データバンク「全国『後継者不在率』動向調査(2025年)」の都道府県別値。静岡・長野は同社の県別調査(2026年1月公表)でも同値を確認しています。企業等数は経済センサス‐活動調査(令和3年)の企業等数(個人事業主を含む)を当サイトで集計したもので、5県合計で約50.1万社です。不在率が県によって高低する背景や全国順位は後継者不在の現状と解決策で詳しく解説しています。
中部を1つのページで扱う理由は、地理的なまとまりよりも、承継の市場が二層になっている点にあります。第一層は名古屋を中心とする東海の製造業集積です。自動車と関連部品、工作機械、航空宇宙、静岡の輸送用機器・楽器・食品まで、完成品メーカーを頂点にした多層の下請構造があり、承継の相手探しは「同じサプライチェーンの中で誰が引き受けるか」という問題になります。買い手候補は元請や同業の二次・三次サプライヤーで、技術と取引口座を引き継げるかどうかが価格を決めます。
第二層は長野・山梨の甲信です。精密機器・電子部品の集積(諏訪・上田・甲府周辺)はありますが、観光・宿泊、農業関連、地場の小売・サービスの比重が高く、地域内に買い手が限られる案件が増えます。ここでは県外の同業や、首都圏の企業による地方進出型の買収まで視野を広げるほど出口が増える。中部圏は東京と大阪の中間に位置し、両方の商圏から買い手を探せる立地の利点を、甲信の会社ほど意識的に使うべきだと考えています。
数字も二層を裏付けます。静岡県の県別調査では、業種別で最も不在率が高いのは建設業の57.5%で、全業種が60%を下回りました。代表者が80代以上の企業でも不在率は20.7%と、5社に1社が承継先未定のまま高齢期に入っています(帝国データバンク「静岡県・『後継者不在率』動向調査(2025年)」2026年1月13日、対象7,460社)。長野県は不在率49.6%で前年から2.3ポイント低下し5年連続の改善ですが、就任経緯では同族承継が最多を保ち、内部昇格が増える一方でM&Aと外部招聘は低下しています(同「長野県・『後継者不在率』動向調査(2025年)」2026年1月29日、対象4,574社)。全国では2025年速報値で内部昇格が同族承継を上回ったことを考えると、甲信では親族内で継ぐ文化がまだ強く、第三者承継の選択肢が十分に検討されていない可能性があります。
愛知県の企業等数は209,483社で、東京都・大阪府に次ぐ規模です。最多業種は卸売・小売業(40,603社)ですが、製造業(26,858社)が2位に入り、宿泊・飲食業(23,330社)、建設業(23,289社)が続きます(経済センサス‐活動調査 令和3年、以下同)。自動車関連の集積は言うまでもありませんが、承継の現場で目立つのは、その周辺にいる金型・切削・めっき・治具といった専門加工の会社です。技術は高く、取引先は固定していて、経営者が70代に入っている。こうした会社は買い手候補が同じ系列の中にいることが多く、元請に相談することが相手探しの第一歩になることも珍しくありません。
後継者不在率は48.6%です(帝国データバンク、前掲全国調査)。県内の市区町村別データと支援機関は愛知県の事業承継情報に整理しています。製造業の譲渡で論点になる設備・技術の評価は企業価値算定の方法を、業種ごとの傾向は製造業M&Aの動向をご覧ください。
静岡県の企業等数は117,364社で、卸売・小売業(24,044社)、建設業(14,593社)、製造業(14,130社)、宿泊・飲食業(13,838社)の順です。浜松の輸送用機器・楽器、静岡の食品・家具、富士の紙・化学と、東西で産業の顔が違い、同じ県内でも買い手候補の探し方が変わります。県別調査では不在率48.0%で前年から2.3ポイント下がり5年連続で改善しました(帝国データバンク、前掲静岡県調査)。改善しているとはいえ、80代以上の代表者の2割が承継先未定という数字は、時間切れの案件が今も生まれ続けていることを示しています。市区町村別データと相談先は静岡県の事業承継情報でご確認ください。
岐阜県の企業等数は69,712社で、卸売・小売業(14,450社)、製造業(10,222社)、建設業(8,855社)、宿泊・飲食業(8,302社)の順です。製造業が2位に入るのは愛知と同じで、美濃の刃物・陶磁器、各務原の航空宇宙、東濃のタイル・木工と、地域ごとに固有の産業があります。後継者不在率は56.4%と、中部5県で唯一50%を大きく超えています(帝国データバンク、前掲全国調査)。名古屋圏に近い南部と、飛騨・東濃の山間部で事情は異なりますが、伝統産業では技術の承継と経営の承継が切り離せず、廃業がそのまま技術の消失につながる点は京都と共通します。市区町村別データと相談先は岐阜県の事業承継情報でご確認を。
長野県(企業等数72,903社)と山梨県(同31,373社)は、いずれも卸売・小売業が最多で、宿泊・飲食業が2位に入ります。長野は建設業(9,509社)・製造業(8,096社)、山梨は建設業(3,867社)・製造業(3,425社)が続き、製造業の比重は東海3県より一段低くなります。諏訪・上田の精密機器、甲府の電子部品・宝飾、両県にまたがる観光・ワイナリー・農業関連が承継の主な類型です。
後継者不在率は長野県49.6%、山梨県47.5%です(帝国データバンク、前掲全国調査・長野県調査)。長野県調査が示すように、この地域では同族承継が今も最多で、M&Aによる承継はむしろ低下しています。裏返せば、第三者承継を検討し始めた会社にとっては競合する売り案件がまだ少ない地域でもあります。市区町村別データは長野県の事業承継情報・山梨県の事業承継情報でご確認ください。
地域にかかわらず、第三者承継(M&A)の基本的な流れは「現状把握 → 相手探し → 条件交渉 → 最終契約・引き継ぎ」です。中部では買い手候補がサプライチェーンの中にいるか、県外にいるかで進め方が変わるため、最初に自社の価格感と業種の相場観を持っておくと、相談先の選択と交渉の両方が進めやすくなります。
全国の市場規模や業種別の承継動向、後継者不在率の全国比較といったマクロ統計は、本ページでは深追いせず事業承継の統計データに集約しています。
中部の各県には、産業競争力強化法に基づいて国が設置する事業承継・引継ぎ支援センターがあり、相談は無料です。運営主体は商工会議所や県の産業支援機関で、事業承継計画の助言、ノンネームでのデータベース掲載、民間M&A支援機関への橋渡し、士業の専門家活用支援を行う枠組みは全国共通です。
| 県 | センター名 | 所在地 | 電話 |
|---|---|---|---|
| 愛知県 | 愛知県事業承継・引継ぎ支援センター | 名古屋市中区栄2-10-19 名古屋商工会議所ビル6階 | 052-228-7117 |
| 静岡県 | 静岡県事業承継・引継ぎ支援センター | 静岡市葵区紺屋町11-4 太陽生命静岡ビル7階 | 054-275-1881 |
| 岐阜県 | 岐阜県事業承継・引継ぎ支援センター | 岐阜市神田町2-2 岐阜商工会議所3階 | 058-214-2940 |
| 長野県 | 長野県事業承継・引継ぎ支援センター | 長野市若里1-18-1 長野県工業技術総合センター3階 | 026-219-3825 |
| 山梨県 | 山梨県事業承継・引継ぎ支援センター | 中央市山之神流通団地1-7-2 | 055-267-7620 |
所在地・電話は中小企業基盤整備機構「事業承継・引継ぎポータル」のセンター一覧(2026年9月確認)に基づきます。移転・変更の可能性があるため、来訪前に各センターの公式サイトでご確認ください。
一方で、具体的な相手探し・企業価値の精査・条件交渉・契約実務の段階では、民間の仲介会社・FA(フィナンシャル・アドバイザー)・コンサルティング会社が実務を担います。中部の製造業では元請や同業が買い手になるケースが多く、取引関係を壊さずに交渉を進めるには、売り手の側に立つ専門家を間に置く意味が大きくなります。それぞれの役割と費用、選び方の違いは相談先の比較に整理しています。
| 段階 | 主な相談先 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 初期相談・全体像の整理 | 事業承継・引継ぎ支援センター(公的) | 無料 |
| 相手探し・交渉・契約実務 | 仲介会社・FA・コンサル(民間) | 手数料相場を参照 |
| 税務・スキーム設計 | 税理士・会計士 | 個別見積 |
当サイトを運営する株式会社KI Strategyは、売り手側に専任する独立系コンサルティング会社です。代表は大手シンクタンク出身で、売却を検討するオーナー経営者の立場に立ったアドバイザリーを行っています。中部での売却・承継をご検討の際は、まず概算の価格感の把握と、相談先の整理から始めることをおすすめします。
事業承継・会社売却・M&Aの最適プロセスをご提案します。売り手側支援・買い手側支援・DD・PMIまで独立系コンサルティング会社として一気通貫。DD・PMI実務は姉妹サイトDD-AXで深掘り対応。
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